カプチーノ·カシス
「これ……随分練習したんじゃない?」
「……聞くなよ。相当練習したけどなかなか上手くならないから、そんなシンプルな言葉しか書けなかった」
「……ハルでも苦手なことあるんだね」
あたしの言葉にハルはばつが悪そうに苦笑して、それから急に真面目な顔になって言う。
「お前さ……いつまで“ハル”って呼び続けるつもりだ? いい加減名前で呼べよ」
「……だって、呼びやすいんだもん」
「それでも駄目だ。ほら、練習」
「ハル……と」
「駄目だな」
「……晴、斗」
「惜しい」
「ああもう! ハルはハルだよ!」