カプチーノ·カシス
そんな危機感に襲われたあたしは、あることを決断した。
ハルと一緒に仕事をしなければならない。そのことはもうどうにもならないけど、それならセフレという関係の方を変えれば良いんだ。
自分のためにも、仕事のためにも……もう、ハルとは一線を引いた付き合いをしよう。
「愛海ちゃん、お昼食べにいこ!」
「ごめん、石原! あたしちょっと用があるから先に行ってて」
昼休み、石原の誘いを断ったあたしは隣の席でコーヒー豆の資料を眺めるハルを一瞥し、席を立った。
ハルは何を話すつもりか知らないけど……あたしはあたしの言いたいことをはっきりと伝えるつもりだ。
“もうセフレなんてやめよう”
その、一言を―――。