カプチーノ·カシス
「今日のあたしを見れば解ったと思うけど……夜はハルと寝て、昼間は何食わぬ顔で一緒に仕事をこなすなんて器用なことあたしにはできない。きっと周りに迷惑をかけちゃうし、ハルだってやりづらいでしょ?」
ハルは、黙ってあたしの顔をじっと見つめる。
そして微かに口角を上げると、こう言った。
「そんなの、建前だな」
「え……?」
あたしは、意味が分からなくて聞き返す。
「お前は俺との関係が周りにバレるのが怖いんだ。好きでもない男と体だけの関係を持ってる、どうしようもない女だって知られるのが怖いんだよ」
ハルは、軽蔑するような眼差しをあたしに向けた。
やめてよ……そんな目で見ないで。