カプチーノ·カシス
バレなきゃいいって……そんな簡単な話じゃないでしょ?
あたしは眉根を寄せてハルの顔を覗き込む。
「だいたいお前、一人の夜に耐えられんのか?」
「……耐えられるわよ、それくらい。子供じゃあるまいし」
「大人だからだよ。俺との関係切ったってどうせ寂しくて、毎晩自分で指突っ込むんじゃねぇのか?」
「ゆっ……!」
指突っ込むって……真昼間の会社で何を言うのこの男は!?
「そんなことしないわよ!」
あたしはキッとハルを睨む。
「ふぅん……耐えられるんだな?」
「……当たり前じゃない」
あたしの答えを聞くと、ハルはあたしの手を解放して倉庫の出口へ歩き出す。