カプチーノ·カシス
コーヒーフロート
『娘を変な男にとられたくないって思う、父親の気持ち…とでも言えばわかるかな?』
――なによ、それ。
『武内さんと石原は俺が育てたみたいな意識があって、すごく可愛いと思ってるんだ』
そんな“可愛い”、全然嬉しくない。
『これ……今日の、お詫び』
何が“お詫び”よ……。あたしのこと、ズタズタに傷つけて―――。
「うぅ……えっ……く」
ぐちゃぐちゃな感情が次から次へと涙を生み出して、目元を拭う手に剥がれたメイクがこびりつく。
今のあたしは、きっとひどい顔。
こんなの誰にも見られたくない。
こんな姿は、誰にも――……