カプチーノ·カシス
「……どうして来ちゃったんだろう」
少し酔いが回って緊張の解けたあたしは、そう言って深いため息をついた。
「俺に抱かれるためだろ」
ハルは、何でもないことのように言う。
「……そう、なのかな」
「俺の役目は他にないだろ」
……そう、だよね。
あたしたちはセフレ。あたしたちをつなぐものはカラダでしかない。
「泣いたのか」
目元に伸びてきた骨ばった手が、あたしの涙の跡に触れる。
「……不細工でしょ、ごめんね」
「いや……逆にそそる」
馬鹿ね……あたしがそう言う前に、ハルの唇があたしの唇を塞いでいた。