カプチーノ·カシス


「……わかった」


課長は、大きく深呼吸をして言った。


「開発は柏木くんを中心にやってもらう。もちろん俺たちもサポートする。みんなでいい商品を作り上げよう」

「はいっ!」


さすが、課長……!

こういう時の決断力も、男として、そして上司として本当に格好いい。


「おい、ぼーっとしてないでさっさとこれ飲んでくれ。現場に連絡できない」

「あ、ごごごめんなさい!」


ハルに頭を小突かれて、あたしは慌てて風味チェックをした。

――うん、問題なし。


「オッケーです!」


仕事は順調。

ずっと足踏みしていた恋も、進展の可能性が見えてる。

今年ももうすぐ終わりだけど、最後になんだか素敵なことが起きそうな予感がするよ――。


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