カプチーノ·カシス
「絶対に大丈夫です。この味なら」
あたしが課長に触れられないもどかしさを持て余していると、どこまでも強気なハルがそう言って課長に鋭い視線を向けた。
「……そう、だよな。この味は本当に家庭用ドリップとは思えないレベルだ。あとは明日の会議で俺がこれを上手くプレゼンできるかにかかってるってわけか」
ふぅ、と天井を仰いだ課長。
そして壁の時計が十二時を指したのを確認すると、「お昼にするか」と言って柔らかく笑った。