tender dragon Ⅰ
「ほんとはもっとおしゃれしたいけど、質問攻めにあうのも、狂羅に顔がバレて追いかけ回されるのも御免だからね。」
質問攻め……
それってきっと、加奈たちみたいな子から、希龍くんのことを聞かれるのが嫌だってことだよね。
「そっか…」
あれだけ整った顔をしているんだもん。
女の子達がどうにかして関わりたいと思うのは、自然な感情だと思う。
「あ、だからって別に希龍が悪いって思ってるわけじゃないからね?」
「え?」
「もちろん、全く希龍に関係ないとは言えないけど。でも、仕方ないよ。あいつは人を自然と惹き付けちゃうんだから」
自然と人を惹き付けちゃう…
やっぱりなぁ。
希龍くんにはそういう魅力があるんだもん。
女の子が夢中になるのも、狂羅が希龍に目をつけてるのも、仕方ない。
あたしも初めて会ったときから惹き付けられてたのかもしれない。
だって、あんなに簡単について行っちゃったんだもん。この人なら大丈夫だって、守ってくれるって、そう思えたから。