tender dragon Ⅰ

1人になっちゃいけないのは分かってる。

でも、安田さんの家に1週間も泊まるなんて、さすがに気が引けるっていうか…

何か変に緊張しちゃう。


「俺もいつも泊まってるから大丈夫だよ」

「でも……ほら、あたし寝るとこないし」

「俺の部屋貸してあげる」

「希龍くんはどこで寝るの?」

「ソファで寝るよ」


そう言って、半ば強引にあたしの手を引いて歩きだした。

あたしに拒否権はないみたい。

何を言っても泊まることになるような気がして、もうこれ以上言葉が見つからなかった。


「ごめん、でもほんとに危ないから」


あたしが何も言わないから、怒ってると思ったんだろう。

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