tender dragon Ⅰ
こんな昼間に、こんなに有名な人とバイクに乗っちゃっても大丈夫なのかな。
いや、きっと大丈夫じゃない。
ダメでしょ。
こんな大きなバイク、みんなの目につかないわけがない。
それに、今日は休日だから狂羅の人たちがその辺にいたっておかしくない。
「ねぇ、目立たない?」
「あ、やっぱり?じゃあ歩いて行こうか」
「いや、そうじゃなくて…希龍くんが…」
大きなバイクよりも目立つんだよ、あなたは。
「俺かー……まぁ、そうかもね」
そうかもね、じゃなくて、そうなんだよ。
とてもじゃないけど、あたしなんかが希龍くんの隣を歩くなんて無理。
女の子の注目を集めちゃうでしょ。