tender dragon Ⅰ
今希龍くんたちと関わりを持ってることも、普段のあたしじゃ考えられない行動で、自分でも戸惑ってる。
「好きな人もっすか?」
「……うん」
「変わってますね」
「…そんなことないよ」
泊まりにいくために必要なものを一通り鞄に詰めて立ち上がった。
春斗は不思議そうにあたしを見てるけど、何も言わなかった。
「行こう、春斗」
「そうっすね」
聞かれたって言えない。
だけど……春斗が何も言わないのは何となく勘づいてるからなんじゃないか、と思うと怖かった。