tender dragon Ⅰ
突然の告白
「美波、俺の部屋で寝ていいよ」
今日、安田さんは帰ってこないらしい。
週の初めの月曜日の夜。
今、あたしの隣には眠そうに目を擦る希龍くんがいる。
葉太はお風呂に入ってるから、あたしと希龍くんは2人きり。
あたしはもうお風呂に入ったけど希龍くんはまだ入っていない。
「希龍くんは?」
「俺はここで寝るよ」
「え、でも…」
こんな寒い時期にソファで寝るなんて、風邪引くにきまってる。
それに、あたしより希龍くんの方がずっと疲れてるはずだし。
「じゃあ一緒に寝る?」
「え?」
驚いて希龍くんを見ると、希龍くんもあたしを見ていて。目が合うと楽しそうに笑って「冗談だよ」と言った。