tender dragon Ⅰ
「俺、美波のこと好きかも。」
葉太の言葉が頭の中をグルグル回って、何度も何度も響くように繰り返される。
"俺、美波のこと好きかも"
何これ。
ほんとに、意味分かんない。
何なの、この状況。
「え……うそでしょ?」
いつのまに?
だって、まだ出会って1ヶ月だし、好かれるような可愛らしい人間じゃないことくらい自分でも理解してる。
葉太はカッコいいし、喧嘩強いみたいだし、女の子にモテるみたいだけど、あたしはそんな対象で見てなかった。
こんな人が、あたしのことを?
いやいや、ありえないでしょ。
「残念、本気」