tender dragon Ⅰ

あ、そうか。

希龍くんは女の子と一緒に寝ることなんて慣れてるってこと。慣れてないあたしが過剰に反応してるだけだね。


「だから俺がソファで寝るって言ったじゃん。」


優しく笑ってあたしを見た希龍くん。

やっぱり、そういうことか。


「ダメ。一緒に寝るもん。」

希龍くんの作戦に乗せられると思ったら大間違いなんだから。

あたしのこと、甘く見てる。


「…あはは、それ、あんまり男の前で言っちゃダメだからね。」

「何で?」


あたしのその質問には答えずに、また優しく笑って部屋に入った。


希龍くんは勢いよくベッドにダイブして、目を閉じる。この様子を見てるとやっぱり、疲れてるんだと思う。

今にも寝てしまいそうな勢いだった。


「美波こっちね。」


自分が寝転んでいる隣をポン、と叩いた。

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