tender dragon Ⅰ
「あー、行ってきたよ、コンビニ。帰りにこの子助けてきた。」
「あ、えっと…はじめまして」
この人が安田さん?
「はじめまして。助けたって、誰から?」
「狂羅?多分だけど」
「は?何で?」
あたしをジーっと見つめるその男の人は、きっと安田さんなんだろう。
だってあんなにくつろいでるんだもん。
自分の家でしょ。
「欲求不満じゃない?」
果たしてそれで理解できるのだろうか。
「…へぇー。」
絶対分かってねぇだろって。
「君、名前何だっけ?」
突然振り向いたもんだから、急に心臓が跳ねた。名前を聞くタイミングが違うでしょ。
「川島美波(カワシマミナミ)です…」
「………ふーん、美波か。俺は神岡希龍(カミオカキリュウ)。よろしくね」
「俺、佐々木葉太(ササキヨウタ)」
ソファーに座っていた人は、佐々木葉太というらしい。安田さんじゃなかったんだなぁ。
じゃあここは誰の家?