tender dragon Ⅰ
――――――
―――――――…
「わー……汚いね…」
「まぁ9割男っすからね。」
西高の校舎内は東高と違って……何て言うか…ゴチャゴチャしてるし、落書きだらけでとっても汚い。
まぁ、綺麗だなんて想像してなかったけど。
「あ、希龍さん!」
春斗が大きな声で手を降ると、希龍くんはポケットに手を入れたまま歩いてきた。
「……服何枚着てるの?」
歩いてきた希龍くんは、いつもと違って服をたくさん着ていた。
いや、なんかもう……着すぎでしょ、ってくらいに。
「寒いから色んなやつから借りてきた。」
楽しそうに笑う。
こういうところが、愛嬌があるって言うのかな。憎めないって言うか、笑って許しちゃうような。