tender dragon Ⅰ
「それ誰のマフラーっすか?(笑)」
「んー、誰だったかな。」
真っ赤なチェックのマフラーは、とてもじゃないけど西高の生徒の物とは思えない。
それくらい可愛い物だった。
こんな趣味の人がいるの?(笑)
「行こっか、美波。」
「うん。」
歩き出した希龍くんに慌ててついていく。
振り向いて春斗に手を降ると、幼い笑顔で手を振り返してくれた。
「どこ行くの?」
「…美波が行かなきゃいけないところ。」
「…あたしが?」
「うん、美波が。」