tender dragon Ⅰ
あたしが行かなきゃいけないところってどこだろう。
見当もつかなかった。
希龍くんと出掛けることが嬉しいって気持ちより、どこに行くのかが気になる。
あれだけ狂羅にバレないように慎重に動いていたのに、こんなに堂々と歩いてていいの?
いつ見られてるのか分からないのに。
今さら不安になってきた。
「ねぇ、狂羅に見つからないの?」
「それも覚悟の上で行くんだよ。」
バレるのも覚悟の上で?
希龍くんの顔はいつになく真剣で、もっと不安になる。
いつもの希龍くんじゃないんだもん。