tender dragon Ⅰ

「で、何で連れてきたんだよ?」

「説明するのめんどくさい。」

欠伸をしながら言う神岡くん。


「………よし分かった。どうしてそうなったのかはいい。連れてきた理由だけ教えろ」


こういうのに慣れてるのかもしれない。しつこく聞くことはなく、すぐに諦めた。


「…狂羅に美波の顔見られた。助けたのが俺だってこともバレた。俺だけ逃げるわけにはいかないじゃん?」

「ふーん、そ。どんまい美波」


どういう意味だろう。

どんまい、って。

「あの、佐々木くん…」

「葉太でいいよ」

なんか、気が強そうな人だな。


「じゃあ葉太……あたし、何でここに連れてこられたの?」

「狂羅のやつらに、美波は俺らの仲間だって思われてるかもしれない。」


君たちの、仲間?

あれれれれ、どうして?

いつ仲間になったんだっけ?

< 21 / 428 >

この作品をシェア

pagetop