tender dragon Ⅰ
"男好き"
"ゴミ"
"死ね"
卒業するまでこれが続くのかと思うと吐き気がした。堪えられるわけない。
どうしたあんな些細なことで、こんなに酷いことが出来るんだろう。
…きっかけなんて、何でもよかったのかもしれない。みんな自分じゃなければよかったんだ。
あたしを虐めなきゃ、自分が虐められるかもしれない。最初はそう思ってたんだろう。
でも今は違う。
みんな慣れてしまってるんだ。
「ねぇ、泣くの止めてよ。うちらが悪いみたいじゃん。」
あたしは悪くない。
でも、反抗する勇気なんてなかった。
ただ黙っているしかなかったの。
「何か言えよ!」
だから、振り上げられた手を見て、目を瞑ることしか出来なかった。
…叩かれても仕方ないと思った。