tender dragon Ⅰ
「ちょっと待って、仲間って?」
友達って意味かな?
「ねぇ、"龍泉"って知ってる?」
黙っていた神岡くんが座っていたソファーから立ち上がってそう言った。
"龍泉"ってあれでしょ?
この辺じゃ有名な…
「暴走族、でしょ?」
友達が話していたのを聞いたことがある。龍泉の総長と副総長がカッコいいんだって。
「友達がカッコいいって騒いでるのを聞いたことがあるの。」
「へぇ、そっかー。俺ら、その龍泉のツートップなんだよね。」
神岡くんがあたしの前にある机に、マグカップに入った暖かいミルクティーを置いた。
楽しそうに笑ってる。
あぁ、そう。
君たちが龍泉のツートップ…
「うそ…!」