tender dragon Ⅰ
「希龍が総長。俺が副総長。」
神岡くんが総長で、葉太が副総長?
「ちょ、ちょっと待って。じゃあさっきの狂羅っていうのも…」
「うん、暴走族だよ」
ヤバイやつだよ、これ。あたしとんでもない人に関わっちゃったみたい。
「龍泉と狂羅は昔から敵対してるんだ。俺の親父が1回潰したらしいんだけど、いつの間にか復活してたみたいで。」
復活……何か分かんない話になってきた。
「神岡くんのお父さんって?」
「希龍でいいよ。…葉太、俺の代わりに説明してあげてよ」
そういって希龍くんはニッコリ笑う。
それを見た葉太はため息をつきながらも、説明し始めた。
「……希龍の親父は龍泉10代目総長。親父の弟の光紀君は11代目総長。」
……何それ。
「で、その時の副総長が安田慶太っていって、この家に住んでる安田健太の兄貴。」
「……お父さんと弟さんが龍泉の歴代総長で、この家の人のお兄さんが元副総長?」
ちょっと待ってよ。
一気に言われて理解できるような内容じゃないじゃない。