tender dragon Ⅰ
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「こんにちは!」
「えっと…こんにちは。」
いつも春斗が迎えに来る公園に、見知らぬ男の人がいた。でもきっと、龍泉の人。
今日は春斗が迎えに来れないと言った日。
代わりに迎えに来たのは、部活でもやってそうなくらい爽やかな男の人だった。
「春斗さんに言われて来ました。美波さんですよね?いやー、話は聞いてましたけど、ほんとに美人さんですね!」
「あ、はは…」
この人は、話聞かないタイプなのかな?
春斗にはある、落ち着きというものがこの人には全く感じられない。
顔は爽やかで大人っぽいのに。
「あ、俺、春斗さんと同じ東高の1年です。竹田誠也(タケダセイヤ)っていいます。タケって呼んでください!」
あ、でも愛嬌あるかも。
見た目と中身のギャップがスゴい。
「あの…タケくん、何で春斗のことさん付けで呼んでるの?」
不思議に思った。
年は同じなのに、どうして春斗の方が年上みたいな扱いなんだろう。