tender dragon Ⅰ
「あー、ムカつくわ。今まで仲良くしてやったのに1人だけズルくない?」
「あたしらにも紹介してよー」
目が笑ってない。
あたしの腕を掴んだ加奈。女の子とは思えない力で掴んでくる。
「痛いっ…」
「ねぇ、出来るよね?」
出来るわけない。
紹介だなんて、そんなこと。
だってあの人たちはあたしのこと助けてくれた大事な人たちだもん。
「……出来ない。」
自分を守るために希龍くんたちに迷惑かけるくらいなら、あたしが1人で何とかする。
大丈夫、一度経験してる。
あのときより、強くなった。
「は?お前何言ってんの。」
「断ったらどうなるか分かってんだよな。」
手にギュッと力を入れて、頷いた。