tender dragon Ⅰ
「……ねぇ、あたしって頼りない?」
「そんなことないよ。」
悲しそうな顔があたしを見つめる。
芽衣が頼りないだなんて、そんなはずない。あたしなんかよりもずっとずっと頼りになるじゃない。
「だったらどうして…」
「助けてもらってばっかりは嫌なの。自分の力で乗り越えなきゃ意味ない。あの人たちに納得してもらえるまで戦うつもりなの。」
困ったことがあったらすぐに助けてもらう。
そんなことを続けてたら、また同じことを繰り返す気がする。
「…そっか」
「うん…」
「でも、無理しないでね。辛くなったらすぐに言って。」
「ありがと…」
いつもの場所で芽衣と指切りをした。