tender dragon Ⅰ

女の子達からのリンチは当然。

もしかしたら友達がいなくなるかもしれない。もしかしたら、っていうか、多分99%の確率で。

こういう話題に疎いあたしが、龍泉のことは知ってたんだから、相当有名なんだって。


「今日は俺の車で送るよ」


安田さんが両手にパスタの入ったお皿を持って、歩いてきた。

片方はミートスパゲティ。もう片方はカルボナーラ。

作り方は似ても似つかないのに、この2人のためにわざわざ2種類も…


「ありがとうございます…」


ミートスパゲティは葉太の前に。カルボナーラは希龍くんの前に置いた。

なるほど、好みが真逆なのか…


「希龍、そのカッターシャツ洗濯機に入れとけよ。その格好、絶対風邪引くからな」

「んー」

聞いているのか分からない、曖昧な返事をしたあと、希龍くんはあたしを見て優しく笑って手を振った。

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