tender dragon Ⅰ
「美波、遅刻するよ!」
「うんっ、急がなきゃ」
芽衣と2人で歩くと、いつでも注目の的で。あたしも変な意味で注目されてしまう。
もう慣れてしまったけど。
これだけ綺麗な人が道を歩いてるんだから、見ない方がおかしいよね。
自分達のクラスに入ると、教室内は一瞬静まり返って、少ししてまた賑やかになった。
こんな状況にももう、慣れた。
誰も話しかけてこないけど、無視されてるわけじゃない。そんな状況でも辛くないのは、きっと芽衣がいるからなんだろうなぁ。
席について、そのまま机に伏せる。
早く放課後にならないかな、なんて思いながら、ガヤガヤするクラスの中、目を閉じた。