tender dragon Ⅰ
「分かってるならいいんだよ。」
あたしの頭をポン、と撫でて言葉を続けた。
「…でも今まで以上に警戒してほしい。美波ちゃんは希龍と一緒にいるところを見られてるんだ。もしかしたら、探されてるかもしれない。」
ゾッとした。あんな人たちが、あたしを探してるかもしれないなんて。
狂羅が走り回ってる理由が、もしもあたしを探してるからだったらどうする?
スカートの裾をギュッと握りしめると、安田さんはそれを見てたらしくて、再び頭をポン、と撫でた。
「あくまで1つの可能性だから。そうと決まったわけじゃないよ」
「そう…ですよね…」
あくまで1つの可能性。
もしかしたら、の話だってことだよ。