tender dragon Ⅰ
「毎日ありがとね」
「いえ…」
優しく微笑んで、持ってきた花を花瓶に入れる。笑った顔が春斗にそっくりで、思わず目を反らした。
「座っていい?」
「あ、どうぞ…」
最初に会ったときは実瑠さんだけじゃなくて、春斗のお父さんの恋汰さんもいた。
恋汰さんは春斗にそっくりで、見た瞬間に親子だと分かった。それくらい、雰囲気も顔も似てる。
「毎日来て、疲れてない?」
「大丈夫です」
「そう。ふふっ、こんなに可愛い女の子がお見舞いに来てくれるなんて、春斗もやるわね」
「そんなことないです…」
あたしがここに毎日来る理由…
それは春斗に対する罪悪感だった。
あたしのせいでこうなってしまった。
「……あたしのせいだから…」
「え?」
「ごめんなさい…春斗がこうなったのは…あたしのせいなんです…っ」
送り迎えなんてしてもらってたから。
少し驚いたようにあたしの顔を見た実瑠さんは、すぐにいつものように優しく笑って春斗を見た。