tender dragon Ⅰ

黒髪の女の子


朝起きて、制服を着て、お母さんが作ってくれてた朝食を食べたあと、あたしがしたこと。

それは、家の周辺を見渡すことだった。


「誰も、いない…」


とりあえず一安心。

昨日のあの数時間の出来事は、寝て起きたら夢だったんじゃないかとさえ思えた。


普通の女子高生のあたしにしては、非現実的すぎる出来事だったし…


でも、携帯の電話帳の中に、きちんと"神岡希龍"の名前が残ってる。

それが唯一、昨日の出来事を証明してくれるものだった。


「連絡しろって言われたってなぁ…」

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