tender dragon Ⅰ

こんなに嬉しいの、いつぶりだっけ?

もっと早く気づけばよかった。

ここに、あたしの居場所はあったんだね。


「来年も同じクラスだったらよろしくね!」

「うん、こちらこそ」


何枚か写真を撮ると、満足したように帰っていくクラスメート。

気がつくともう、30分以上がたっていた。


………芽衣、遅いなぁ…

告白にしては、長い。

もしかして、他の人にも呼び止められてる?

連絡が来てるかも、と思い携帯開くと

思った通り


【新着メール一件】

芽衣からのメールだった。


【ごめん!ちょっと時間かかりそう!】

あんなに可愛いんだもん。仕方ない。


教室に少しだけ残っていた子たちも、いつのまにかいなくなっていた。

ここにいるのはあたし1人だけ。

時計の音がやけに響いた。

今日で最後。

明日からは、家にいても大丈夫なんだ。


―ガラッ…

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