tender dragon Ⅰ
「俺は美波さんのせいでこうなったとか思ったことないですし。希龍さんたちも、そんなこと思ってないですよ。」
「でもっ…」
あたしが口を開いた途端、春斗はあたしの頬をギュッと摘まんで引っ張った。
片方の頬だけがヒリヒリする。
「でもじゃないです。ほんとに、美波さんのせいじゃないですから。」
ふと、思い出した。
"大切な人を守るために戦ってるの"
実瑠さんの言ってた言葉。
春斗は大切な人を守るために戦ってこうなったんだから、誰のせいでもないんだって。
「分かりましたか?」
「…はい」
素直に頷くと春斗はニッコリ笑って
「俺丈夫だからこのくらい余裕っすよ。」
なんて言った。