tender dragon Ⅰ
「うん。春斗は西高に通ってるの?」
「はい!西高と東高って、結構近いっすよね?」
「うん、そうだね」
西高の学生服を着た男の人を見かけることはよくある。
あまり気にしたこともなかったけど。
「もしかしたら、今までにも会ったことあるかもしれないっすね!」
確かに、そういう可能性もある。
「ふふっ、そうかもね」
何の話をするときでも楽しそうで、きっと春斗といたら話が尽きないんだろうなー、なんて思う。相手が誰でも、こんな風に話しかけてそうだし。
不謹慎かもしれないけど、これから春斗とたくさん話ができると思うと、何だか少し嬉しかった。