tender dragon Ⅰ

「葉太も、ニンジン嫌いなら先に言ってよね」

「何言ってんだよ。俺ニンジン大好きだし」

「葉太さんって嘘下手っすね」

「うっせー、バーカ」


じゃれてる2人を他所に、黙々とカレーを食べてる希龍くん。もうお皿の半分のカレーを食べてしまっていた。


「ありがとうございます!」

ニンジンをあたしのお皿に移すと、男子高校生とは思えない、可愛らしい笑顔をあたしに向けた。


「どういたしまして」

「葉太さん、次からは自分で食べてくださいよ。希龍さんだって自分で食べてるんすから」

「希龍だって好き嫌い多いだろ?」

「全部食ってますけど」


そんな2人のじゃれ合いを見ながら、食べてると、何だかいつもよりご飯が美味しく感じた。

そしてこの日希龍くんは、カレーを3杯もおかわりして、満足そうに昼寝をしてた。

< 70 / 428 >

この作品をシェア

pagetop