tender dragon Ⅰ
「葉太も、ニンジン嫌いなら先に言ってよね」
「何言ってんだよ。俺ニンジン大好きだし」
「葉太さんって嘘下手っすね」
「うっせー、バーカ」
じゃれてる2人を他所に、黙々とカレーを食べてる希龍くん。もうお皿の半分のカレーを食べてしまっていた。
「ありがとうございます!」
ニンジンをあたしのお皿に移すと、男子高校生とは思えない、可愛らしい笑顔をあたしに向けた。
「どういたしまして」
「葉太さん、次からは自分で食べてくださいよ。希龍さんだって自分で食べてるんすから」
「希龍だって好き嫌い多いだろ?」
「全部食ってますけど」
そんな2人のじゃれ合いを見ながら、食べてると、何だかいつもよりご飯が美味しく感じた。
そしてこの日希龍くんは、カレーを3杯もおかわりして、満足そうに昼寝をしてた。