tender dragon Ⅰ

お祖父さんは組長。お父さんは黄金期を築き上げた龍泉の歴代総長。叔父さんは11代目総長。そして、希龍くんも、16代目総長。

ほんとに凄い家庭に生まれてる。

普通の高校生とはかけ離れてるじゃない。


「だから分かる。」

「何がですか?」


ほんとに嬉しそうに、そして楽しそうに、笑った安田さんは、いつもの安田さんじゃない。

龍泉が大好きなんだ。

どうしようもないくらい。


「希龍の代で、また黄金期が来るよ」


なぜか胸が高鳴った。

ドクン、と跳ねる心臓。

それはきっと、あたしもその可能性を感じているから。


「あの2人になら、出来る」

「…何で、分かるんですか?」


何で、なんてあたしにも分からない。

理由なんてないけど、あの2人ならどんなことだってやっちゃいそうなんだもん。

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