tender dragon Ⅰ

「そういえばね、昨日神岡さんのとこの奥さんが買い物に来てたわ。」

「えー、俺も昨日来ればよかった」


神岡さんのとこの奥さん?

つまり、希龍くんのお母さん?


「わ、やべ。もうこんな時間だ」

「あら、ほんとね。じゃあ、またね健太くん」


考えている内に2人の会話は終わっていて、安田さんはまた歩き出した。


「あ、希龍たちもう帰ってるわ」

「安田さんの家にですか?」

「うん。腹へったから早く帰ってこいって葉太からメール来てた」

「じゃあ、急ぎましょうか」

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