tender dragon Ⅰ

「めずらしいな、蒼空が家に来るなんて」

冷蔵庫に買ってきたものを入れながら、嬉しそうに呟く。

あたしには、その蒼空くんが誰か分からない。


「あ、美波は知らないんだっけ」


葉太はふと思い出したようにあたしの手を引いて、リビングのソファーのところまで連れてきた。

そこにはソファーで気持ち良さそうに眠る希龍くんと、あたしをジーッと見つめている男の子がいた。


「こいつが蒼空」

この顔は、見たことがある。

つい最近…………ていうか、さっき?


「はじめまして…、川島美波です」

「どーも。神岡蒼空(カミオカソラ)です」


神岡蒼空?

神岡って、希龍くんの……

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