tender dragon Ⅰ
「ちなみに蒼空は中3。俺らの2コ下だよな?」
蒼空くんの顔をみた瞬間に見覚えがあったのは、きっと希龍くんの顔立ちにどことなく似てるからだ。
でも、蒼空くんの方が少し幼い。
それに、希龍くんみたいなのんびりした雰囲気はない。
クール、っていうか……とてもじゃないけど、中学生には見えないなぁ。
蒼空くんは小さく頷いて、またあたしを見た。
希龍くんに見つめられてるみたいで、思わず照れてしまう。
「美波って…、狂羅に絡まれた子?」
「おう。何で知ってんだよ?」
「芽衣に聞いた。うちの学校の黒髪の女の子が狂羅に探されてるって。」
「あ…、そうなんだ」
口調も態度も希龍くんとは真逆だけど、笑った顔は希龍くんにそっくりで。
綺麗な顔立ちだった。