tender dragon Ⅰ
「相当たち悪いだろ、狂羅って。気をつけないとひどい目に合う。」
さんざん言われた。
気をつけろ、って。
あたしこの1週間でその言葉何回言われた?
「巻き込んだのは俺だよ、美波は悪くない」
さっきまで眠っていた希龍くんは、眠そうに目を開けた。聞きなれたこの台詞。
責任を感じてるんだと、すぐに分かった。
「蒼空、勝手に動くなよ。」
「それ、言う相手間違ってんだろ。俺じゃなくて、遼太に言うべき。」
遼太?
また、知らない名前が増えた。
「ねぇ、遼太って誰?」
2人には聞こえないように葉太に聞くと、葉太は少し考える素振りを見せた。
「大智さんの代の時の副総長の息子」
つまり、10代目の副総長の息子さん?
なんか、希龍くんの周りにはほんとにすごい人しかいないんだなぁ…