tender dragon Ⅰ

言われるがままに希龍くんの隣に座ると

「ちょっと膝貸してよ」

なんて言ってあたしの膝に頭をのせて、目を閉じた。


もう心臓はバクバクいって止まらないし、顔が火照って熱い。

だってこれって、世間一般でいう膝枕でしょ?


「美波、今日泊まってく?」

「えぇっ!?」


目を閉じながら言ってるけど、まるであたしの顔が赤いのが見えているかのようにからかう。

意地悪だ。


ふと考えて、思った。

こういうの、慣れてるんだろうな、って。

前に葉太が希龍くんは女遊びが激しいって言ってたし、慣れてて当たり前。

だからこんなに、恥ずかし気もなくこんなこと出来ちゃうんだよね?

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