わたしのヒーロー
「翔くん‥‥どうしたの？」

「あのさ、夏休み…遊ばない!?」

たまに玲海に話しかけたりすることがあった。
たぶん、翔はクラスの中ではモテるほうだと思う。


そもそも玲海はなぜいじめられてるかと言うと女の子によくある、可愛くてめだってるからっていう理由だけだった。とくに玲海が何かしたとかそういうのは全く無かった。

玲海はくっきり二重で髪もさらさらで少しロング。それに少しハーフみたいな顔をしていた。だから男の子からすごく人気があったけど、本人は全く知らない。


「あそぶの？」


「うん！あのね、お母様が玲海ちゃんとゆっくり話してみたいって言うんだ。」


「うーん…ごめん、忙しいかもだからわからない。」



「そっか‥‥じゃあ遊べる日があったら教えてね！」



「うん。わかった。」



玲海は翔のことがあまり好きではなかった。いつもは見て見ぬふりをしているくせに優たちから攻撃が来ないときだけ話しかけてくる翔が嫌いだった。



「玲海。」


「あ、柚希」


柚希が申し訳なさそうに話しかけてきた。


「最近守ってあげられなくてごめんね。」


「大丈夫！あれじゃしょうがないよ！」



「…ありがとう。一緒に帰ろ!!」



こうして夏休み前の１日が終わった。



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