ゆびきり

「陸斗、起きて！学校に、遅れるよ！」　
　あれ？俺、愛羅のこと好きすぎて、夢にまで出てきてる。
　駄目だな。こんなんじゃ…
「何へこんだ顔してるの？陸斗らしくないなー、まったく。」
　あ、俺あのまま寝てたんだ。んじゃ、目の前で喋ってるのは、誰なんだ？
　ゆっくりと、目を開けると、目の前には愛羅が、笑って立っていた。
　なんでだ。昨日は、俺の事避けてたのに…
　嫌味かなんかか？でも、愛羅がそんな事するはずがない。
「どうしたんだ？いきなり来て」
　俺は、思わず思ったことを愛羅に言っていた。
「だって、今日は部活体験の日でしょ？私、5人同じ部活に入りたくて、早く起きちゃったから、陸斗を起こしに来たんだ！」
　愛羅って、単純だな。
　そういや、部活体験か…松尾の事で、すっかり忘れてた。

　俺は、中学時代バスケ部で、その時に翔輝や優姫、理華に会ったんだ。
　愛羅と俺が、幼馴染みのように、翔輝、優姫、理華も、幼馴染みだ。

「愛羅は、何部に入りたいんだ？」
「私は、陸…優姫ちゃんが、入るって言った部活に入ろうかな？」
　ふーん、5人同じ部活に入りたいって言ったくせに何言ってんだ？
　まっ、いいか。愛羅は、やりたいようにすればいいんだしな！

「てか、陸斗。遅れるよ！学校！」
　愛羅に言われて、時計を見ると8時。
　翔輝達との、待ち合わせは、8時10分。
　後、10分か。10分？時間、まったくねーじゃん！
「愛羅、先に降りとけ！すぐに、降りるから！」　
　俺がそう言うと、愛羅は笑顔でうなずいた。
　嬉しかったが、そんな事思っている暇は、ない。
　また、優姫に「愛陸」って、まとめて呼ばれるぞ！

　そんな感じで、朝が過ぎっていった。