ゆびきり
「あのね、2人はさ愛羅に許嫁がいる。とか聞いたことある?」
 あたし達は、近くのカフェに行き、理華の話を聞いていた。
「全然…って、えぇー‼‼‼‼愛羅に、許嫁がいんの?」
 翔輝は、めちゃめちゃ驚いてるけど、あたしは驚くよりも絶句。
 愛羅の家は、たしか5人の中で一番お金持ち。
 許嫁がいても、おかしくはないけど…
 でも、いまは陸斗とラブラブで、親御さんも陸斗の事気に入ってなかったけ?
「あたしも、さっきほかの子が話してるのを、たまたま聞いて…それで、詳しく話してもらったの」
「相手は、誰?」
 理華は、かなり困ったようだ。
「無理に話さなくてもいいよ?だって、こんな噂うそでしょ?」
 あたしは、無理に明るくしたがそれが裏目に出て、静かになってしまった。


「あのね、愛羅の相手は……氷室亮先輩らしいの……」


 嘘でしょ?
 氷室先輩は、学校一のモテ男。
 恋の噂が、尋常じゃないくらいにある。
 そんな先輩が、愛羅の許嫁なの?
 いやだ!
 氷室先輩の事、ちゃんと知らないからこんなこと言ってるけど、隣の翔輝も同じことを考えてるようだ。

「それでね、今日その事を愛羅に言うみたいなの…」
「それ。誰が言ってたの?」
「氷室先輩、本人が許嫁と会うって…」
 そんな…
 陸斗との問題もあるのに…?
 愛羅が、かわいそう…

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