ゆびきり
「くそっ、どこにいるんだよ!」
 体育館の周りを調べたけど、誰もいない。
 探していない場所といえば、体育館裏。
 呼吸を落ち着けて、見てみると氷室が誰かにキスをしていた。
 でも、女子方は嫌がってるように見える。
 よく見ると、愛羅だった。
「愛羅っ!」
 俺が、愛羅の名前を呼ぶと、2人がこっちを向いた。
「陸斗…」
 愛羅は、その場で腰が抜けたように座り込んだ。
「氷室、愛羅に何してんだよ!」
 俺は、怒りのままに氷室を殴った。
 でも、氷室は薄笑いのまま、俺を見てきた。
「愛羅ちゃんが、悪いんだよ…僕のメールを無視したからね…」
 愛羅は、小刻みに震えていた。
 俺は、愛羅の手を取って教室に上がって、俺のバックを取った。
「お前、何してんの?」
「俺ら、帰る。言い訳、よろしく」
 それだけ言い残して、俺は教室を出た。
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