ゆびきり

　はー！1日疲れた！
　やっぱりか…陸斗を、取られたら私どうなるの？絶対に、取られたくない！
　でも…な…


「愛羅ちゃん！」
　わっ、びっくりした！誰？
「あたしは、かりん！ちょっといいかな？」
「何？」
「ここじゃ話づらいから、来てくれる？」
「いいけど……」
　桜井かりんっか…話したことないのに、何だろう？

　私は、桜井かりんって言う子に、連れられて、体育館裏に言った。
　すると、ほかにも2人いた。
「高橋愛羅だっけ？あんた、うっとうしんだよ！」
　あれ？目の前が、クラクラするな。私、何かした？
「碓氷君の周りに、いつもいるとか、ありえない！碓氷君の前から、消えて！」
　あっ、陸斗のことか………
　なんで、私だけこんなことに…　殴られる必要あるのかな？
　意識が薄れてきた…
「何してるの？桜井さんたち？」
　誰か、来てくれたんだ。助かった…
　
「愛羅ちゃん？大丈夫？」
　誰なの？助けてくれたのは？
「良かった！大きなケガが、無くて…」
　この声は、松尾莉実！なんで？なんで、助けに来たの？
「さっき、ふいに窓の外を見たら愛羅ちゃんと、桜井さんが見えて、大丈夫かな？って、思ってきたの。したら、この状況だったの！愛羅ちゃん、本当に大丈夫」
「―りがと。」
「何？」
「莉実ちゃん、助けてくれてありがとう」
　あれ、おかしいな。なんで、松尾莉実の前で泣いてるんだろう？
「愛羅ちゃんさ、あたしのこと嫌いかな？」
「なんで？」
「だって、昨日からあたしのこと、初めて会ったのに、いやそうな顔しかしてないんだもん。だから・・・」
　私、そんなに顔に出てたんだ。
「そんなことないよ。ただ、環境がいきなり変わって、ちょっと疲れてたの。」
「そうなんだ……。愛羅ちゃん、改めてになるけど、あたしと友達になってくれないかな？」
　はい？松尾さん？頭大丈夫？いきなりですよね！でも、助けてくれたんだし、いいかな？
「うん、これからよろしくね！莉実ちゃん！」


　この時は、わからなかった。この挨拶が、私たちの悪夢の始まりだったとは…