好きな人ができました。
「藍…助けられなくてごめん」

「大丈夫…」
声出た

「あいつまだ目覚ましてなくて」

「そう…」
「どうして落ちたんだよ」
「さぁ?」
「言えよ」
「やだ」
言えないよ陸の話で何て

「言え」
「いや」
「言えって!」

いつもの陸ではない陸の怒鳴り声

どれだけ陸が松井さんを好きか分かる

「言わ…ない」
唇を噛んで
泣くのを我慢する

「なぁ?陸」

保健室のドアがいきなり
開いて入ってきたのは朔邪くんだった

「何だよ」
「高山ちゃんだって怖い思いしたんだよ?なのにそれを問い詰めてどうすんだよ」
いつもの声と変わらないが目が怒ってる朔邪くん

「そうだけど」
「だけど?それはただの言い訳だ…松井さんも起きてるなら起きなよ」

そう言うと寝ていた松井さんが起き上がった

「陸…」
「良かったぁ」
私は肩の力が抜けた
そのついでに涙も溢れてきた

「高山ちゃん?大丈夫」
「私が次は陸の大切な人奪っちゃうのかと思った…」
そう思うと怖くて怖くて
手と肩が震える

「大丈夫だよ」
優しく抱き締めてくれる
朔邪くん

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