彼とわたしの秘密のカンケイ


高さを調節して、椅子に腰掛ける。

ピアノの前に座って目を閉じるたときの、心が洗われるような感覚が私は好きだ。



テストが満足のいかない結果でも、友達や家族と喧嘩したときでも、ピアノの前なら嫌なことすべて忘れられる。





私は、両手を鍵盤の上に置いた。

心を込めて、最初の音を――――――




ガタンッ




どこかから物音が聞こえた。


もしかして先生がいた!?



急に音が聞こえてびっくりしている私の目に映ったのは――――――






「あー…悪いな、邪魔したか……?」





「み、みみ水渓さんっっ!?!?」






あくびをしながら眠たそうな目をこする、学年イチの不良――――――

水渓祥吾だった。






「えーと、おまえは……確か2組の? いや、3組か……」






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