彼とわたしの秘密のカンケイ


「いえ、1組です、えっと……あの、すみませんでしたっ!!!」




そう叫んで、私はダッシュでその人の前から逃げようとした。




「……は? おいちょっと待て」






グイッと、制服の裾をつままれる。

「え……ご、ごめんなさいごめんなさい、許してください!
お昼寝されてるなんて、まったく知らなくて!!!!」

「……なに言ってんのお前」


顔を覗き込まれる。

かなり近い。これが不良の作法なの? いや、そんなのないよね!!




「悪気はなかったんです、だから許してください!!」



もうその時点で私は半泣きになっていた。






『水渓の眠りを妨げる奴は、容赦なく水渓から制裁が下される』





そういう噂が、私たち2年生の中では広まっている。


前に水渓さんが昼寝をしているときにうっかり騒いで起こしてしまい、半殺しにされたという出来事があったそうだ。



どうしよう、私、ボッコボコにされるのかな!?

< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop