【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「ああ、これは一時的なもんだから」
「一時的なもの?」
「そ。一時的に体力を回復するためのもの」
そう言うと椎名冬夜は、んー……、と少し考えた後、
「栄養ドリンクみたいな感じ?」
と、良い事を思いついた! みたいな顔をしたけど……
「はぁ?」
と、あたしの眉間に皺が寄るのは当たり前な話。
意味わかんないってば。
「お前、面倒臭い」
「面倒臭いって、あんたの説明が理解しにくいってことに気付いてよ」
「だから“あんた”じゃなくて“冬夜”だって言ってるだろーが」
「そんなこと今はどうでも良いってば」
それよりも説明をしてよね、説明を。